岩手山周辺では通常地震の発生は極めて少ないが、1995年9月15日にマグマの活動に係わるとされる火山性微動が長時間観測された。そのため、東北大学地震・噴火予知研究観測センタ−、気象庁などが、地震計、傾斜計、歪み計、GPS(人工衛星による測量)、磁力計などを増設して、観測の強化にのりだした。
東北大学地震・噴火予知研究観測センタ−では、1981年9月5日に滝沢村姥屋敷に定常観測点「岩手山」を開設、82年7月に松川、94年11月に相ノ沢および焼走り、96年12月に玄武洞、99年11月に松川に定常観測点を増強し、特に相ノ沢・焼走り・玄武洞・松尾には地震計など他、傾斜計、体積歪み計が地下に設置され、微小な地殻変動も見逃さない監視体制をとっている。火山活動の活発化以前から、監視体制の整備が図られていたことが、岩手山防災には大変有用であった。