3.火山活動および防災対策の経緯
(6)「岩手山火山防災マップ〜西側で水蒸気爆発が起きた場合」の公表

 西側では過去約3万年間マグマの噴出は見られず、調査が進んでいる過去約7400年前以降、少なくとも8回の水蒸気噴火(地下の蒸気や熱水が暖められて地表の土砂を吹き飛ばす、噴火の一形態)が繰り返されている。また、地震活動が地下2〜3kmと浅いところに集中していることから、今回も水蒸気噴火の可能性が強いものと考えられた。委員会では半徹夜の連続で検討を進め、98年7月22日「岩手山火山防災マップ〜西側で水蒸気爆発が起きた場合」(約3200前の水蒸気噴火と同規模を想定)を公表した。

 想定では、噴石や10cm以上の降灰は、網張温泉・松川温泉などの観光地を含めて集落までは到達しないので、緊急避難の必要はないとされるが、降灰後の大雨による土石流に備えた避難場所が指定されている。マップは16万余部が、岩手山周辺6市町村の全世帯に配布され、公民館等での説明会も開催された。

関連画像  ★岩手山火山防災マップ(西側のみ)

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