■ 来季は七月一日朝六時解禁 ■

(東側四ル−ト再緩和の方針)
十二月二十七日に、岩手山周辺六市町村と県が協議し、今年の岩手山の入山を、昨年同様東側四登山口に限り、七月一日午前六時から体育の日の十月十四日午前九時まで緩和することを決めました。 協議は、「岩手山の火山活動に関する検討会」の、東側の噴火が切迫していないとの認識、続いて「岩手山火山災害対策検討委員会」の登山者安全確保のための対策の提言を受けたもので、今年以上に十分な対策を講ずること、活動が活発化しないことが条件です。 いくつか心しておくべきことがあります。東側噴火が切迫したら事前に兆候を把握し、警報を出せることが前提ですが、それには現状の監視、検討態勢が保たれていなければ困難です。九十八年以降、大学・気象庁・国の機関さらに県などが観測機器を整備し、臨機応変に活動を協議する体制もつくられました。活動が低下したとして、もし監視・検討態勢が弱体化したら、沈静化宣言のない段階での緩和は提言できなくなります。 町村長さん等からさらに緩和をとの声が報道されますが、「検討会」や県が禁止しているのではなく、法的に規制を行なっているのは登山コ−スのある町村の首長さんです。ただし、単独での対応の困難さ踏まえ、県・国も連帯責任をもち連携して安全対策を講じ、研究機関も踏み込んだ助言を行なうという”岩手方式”のガイドラインが創られ遂行されているのです。それぞれが果たすべき責務を再認識しておくことも大切です。

(モラル徹底の啓蒙を)
半年も前に緩和の方針を決めたのは、昨年は時刻の設定があいまいで、なしくずしに深夜零時になってしまった?ことや、下山者カ−ドの提出率の低さなど啓蒙活動不足との反省に基づくものです。 自然に百%はありませんが、出来うる安全対策を十分に尽くし、入山者にも協力を求めることは、地元として最も誠意ある対応です。観光客の不安をあおるといった危惧はむしろ逆と思います。防災関係者だけではなく、観光、自然保護など様々の関係者が協力し、岩手山の現状や対策、また、自らが守るべきル−ルについてPR、啓蒙を工夫して進めてほしいのです。二年目はまさに岩手山との共生のための正念場です。

6市町村広報 2002年2月より

閉じる