■ 一年間を振り返る、平成13年の活動 ■

 火山性地震が頻発し始めて四回目の正月が巡ってきました。謹賀新年。一年の過ぎることの速さが痛感されます。自然の悠久の年月に比べて、人間の一生の短さ・・などと考え込んでいたのでは暗く落ち込んでしまいそうです。我々にとっては短くない四年ですが、火山の動きはおさまってはくれません。昨年十一月には、マグマの供給源と推測されている深さ三十キロメ−トル付近、モホ面付近の地震が二十七回観測されました。地震観測網が強化されて検知能力が上がったことよるのかも知れませんが、月に二十回以上観測されたのは、火山性地震が特に頻発した平成十年八月以来です。また、十一月十九日には、黒倉山山頂の噴気が二百五十メ−トルにも達するなど、西岩手山の噴気活動はなお活発です。もし、山頂直下数〜十キロメ−トルでの低周波地震が頻発すると、再びマグマが上昇して「東側でのマグマ噴火に要注意」という段階になりかねませんが、今は、そんなに心配する状況にはないと考えています。    

 ★四月一日・・雫石町長山で震度一の有感地震。有感地震は十ヵ月ぶり。
 ★五月七日・・緊急警報装置が完成、公表。
 ★六月六日・・地球惑星関連学会合同大会で、東北大学浜口博之教授らが、人工地震探査による岩手山の地下構造を発表。
 ★七月一日・・東側四ル−ト入山規制を三年ぶりで一時緩和。
 ★八月七日・・姥倉〜黒倉南斜面および姥倉山方向噴気調査で噴気孔四十二箇所を確認。
 ★八月十七日・・姥倉〜黒倉北斜面現地調査、オオシラビソなどの枯れ死帯確認。
 ★八月二八日、九月二日・・大地獄谷、西小沢現地調査、大地獄谷主噴気孔百三十四度とやや低下 
 ★十月三日・・火山学会で東北大学浜口博之教授らが、マグマが平成十年二〜四月および八月に浅部まで上昇との解析結果発表。
 ★十月八日・・東側四登山道を来シ−ズンまで閉鎖。 
 ★十一月十九日・・黒倉山山頂で高さ二百五十メ−トルの強い噴気観測。
 ★十一月・・モホ面付近の地震、三年ぶりに二十回を越え観測。

6市町村広報 2002年1月より

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